磁石の特性比較

磁石は、材質によって特性が異なります。
使用目的に最適な磁石を選ぶ上では、各磁石の特性も重要なポイントとなります。

比較項目ネオジムサマリウムコバルトフェライトアルニコ
磁束密度(磁力の強さ)
保磁力(磁力の減りにくさ)
耐衝撃性
防錆特性
耐熱性(高温環境での使用状況)
コストパフォーマンス

◎:非常に高い ◯:高い △:低い

注)製品は予告無く変更する場合があります。

ネオジム磁石

ネオジム磁石

ネオジム磁石は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石です。 希土類は、レア・アースとも呼ばれ、優れた磁気特性、物理的特性をもっています。

磁石には複数の種類がありますが、磁力が最も強いものはネオジム磁石です。 フェライト磁石と比べると約10倍もの磁力を持ちます。

また、ネオジム磁石には「保持力が高い」、「減磁しにくい」、「機械的強度に優れている」という3つの特徴があります。

ネオジム磁石は、永久磁石の中で最も強力な磁力をもつため、ハイテク産業の特徴である小型化・高性能化で重要な役割を担っています。

ネオジム磁石のサビについて

主な用途

  • ハイブリットカー
  • MRI
  • HDD
  • DVD
  • 小型スピーカー
  • 携帯電話
  • 時計
  • 雑貨

サマリウムコバルト磁石

サマリウムコバルト磁石

サマリウムコバルト磁石は、主成分がサマリウムとコバルトから成る磁石で、その磁気特性はネオジム磁石に次いで優れたものです。

希土類(レア・アース等)が主な材料であるサマリウムコバルト磁石には「ネオジム磁石に次いで保持力が高い」、「耐熱性に優れ、高温度の環境でも減磁しにくい(300℃以下)」、「酸化しにくい」という3つの特徴があります。

また、アルニコ磁石と同様に温度係数が小さく、耐熱性に優れており、高温環境下での用途に多く使用されています。

しかし、衝撃に弱く、機械的強度に難点があり、ネオジム磁石の普及に伴い、サマリウムコバルト磁石の使用量が極端に少なくなっています。

主な用途

  • 高温環境での使用
  • 小型磁気センサー
  • マイクロスイッチ
  • 小型リレー
  • 光通信
  • レーザー機器

フェライト磁石

フェライト磁石

フェライト磁石は、酸化鉄(主原料)、バリウム、ストロンチウム等から成る永久磁石です。

焼き物のため、腐食することはなく、表面処理の必要はありませんが、衝撃に弱く、機械的強度に難点があります。

フェライト磁石は、アルニコ磁石と比べ残留磁束密度は低いですが保磁力が高いため、多くは比較的薄い形状で使用されます。

フェライト磁石には「安価」、「減磁しにくい」、「高温でも使用可能(200度以下)」という3つの特徴があります。

希土類磁石に比べ磁気特性は低いものの、安価であることから幅広く使用されています。

異方性フェライト磁石

異方性フェライト磁石は、等方性フェライト磁石と違って、磁束が一定方向に向いている為、磁力は強くなります。

異方性フェライト磁石

1μ程度に粉砕された材料を成型することで製造されますが、成型には湿式と乾式という方法があり、湿式の方が磁力は強くなります。

主な用途

  • スピーカー
  • 汎用モーター
  • 健康器具

等方性フェライト磁石

等方性フェライト磁石は、異方性フェライト磁石と違って、どの方向に着磁しても同じ磁気特性を示す為、着磁の方向は自由に選ぶことができます。

等方性フェライト磁石

磁場成型していないことから、どの方向にも磁力を入れることが出来ますが、磁力は異方性フェライト磁石の約半分位になります。

主な用途

  • スピーカー
  • 汎用モーター
  • 健康器具

フェライト鏡面磁石

フェライト鏡面磁石

フェライト鏡面磁石は、表面を研磨して鏡面のように仕上げたフェライト磁石です。

特徴

  • メッキやコーティング等とは異なり、磁石そのものの表面加工のため剥げない。
  • 様々な形状のフェライト磁石で加工可能。
  • 黒く、深い輝きがあり、ブレスレットやネックレス等の装飾品にも利用可能。
  • 直接肌にふれる健康機器等に応用可能。

注)強い摩擦・衝撃が繰り返されると表面加工が削れることがあります。

フェライト特殊着磁品

フェライト特殊着磁品

径方向や多極で着磁された磁石です。
※一般的な着磁は磁石の厚み方向にNS(2極)

特徴

  • 異方性磁石、等方性磁石を使用。

アルニコ磁石

アルニコ磁石

アルニコ磁石は、アルミニウム、ニッケル、コバルト等を原料とし、鋳造もしくは焼結で製造された磁石です。

アルニコ磁石の主な特徴は、「高温環境でも使用可能(500℃以下)」という点です。

永久磁石の中では、残留磁束密度が最も高い磁石ではありますが、保磁力が低く、衝撃による減磁が激しいため、細長い形状や馬蹄形のような形状で多く使用されます。

また、材料費(コバルト等)や鋳型(製造過程で必要)等のコストにより価格が高く、温度係数も小さいことからメーターなどの計器に多用されます。表面処理は不要ですが酸化します。

主な用途

  • 電動機
  • センサー
  • スピーカー